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女性性インタビュー
【ワインサロン・銀座GG】代表 MIKIKOさん

「聴く力」の“女性性”と造り手と繋がる直輸入ワインと食のサロン経営~

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~銀座八丁目。名だたるブランドショップやレストランが立ち並ぶ一角のビル地下一階、隠れ家のようにひっそり佇む、ワインもお食事もとろけるような極上のワインサロン銀座GG。まるで一昔前パリの知識人が集い、芸術的な感性で語り合った場所を彷彿とさせます。そんな美しいレストランを経営する女性経営者MIKIKO代表に、経営においてどんなふうに女性性をとらえているのか?インタビューをさせていただきました~インタビュアー溜香世子

MIKIKOさんは経営においてどのように女性性をとらえていらっしゃるのでしょう?

私はたまたまセラピストやNLP、脳神経言語プログラミングのコーチングの仕事もやっていますが、その「あり方」──「答えは全て、クライアントの無意識から引き出せる」と一緒で、もともとレストラン経営や輸入の仕事をやるうえで、トップダウンでこうしなさいという言い方は本当にしないんですよ。そんな態度に皆さん戸惑うんですね。でも、私は皆さんからしか出てこない声を拾い出したいと思ってるんです。

25年前~10年前ほどの、レストランをやり始めた創業期や基盤づくりの頃は、皆から本当にイキイキとした声がもらえたからこそ伸びたのではないかと思っています。その時組んでいたビジネスパートナーは今は分社していますが、彼にとっても創業時はそんな私の女性性が役に立ったと思うんです。

みんなが本当に言いたいことが言えたからこそ、利益体質になっていった。その人が答えを持っているとか、その人しか知らない現状があるのに私が指示をだしてもうまくいかないですよね。そして経営者が聴く姿勢でないと、従業員さんとしてもなかなか言えない。経営の中でも、セラピーの場合も一緒で、ご本人が「答え」を持っているんです。例えばセラピーで、あるクライアントさんに100時間聞いても1000時間聞いたとしても、セラピストやコーチ、カウンセラーよりも、本人が一番、情報を持っているわけです。だから、その本人、しかもその無意識からの答えが出やすい状況にして、出てきたものが一番使える情報なんですね。だからこそ、皆さんから出てきた声を採用したほうが、本人達の能力や意志という意味も含め、絶対にうまくいくんです。

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聴く、そして答えは本人(の無意識)がもっているというあり方が、MIKIKOさんのいう女性性なんですね。

はい。それから、香世子さんにも以前体験していただいた【セラピーテイスティング】があるじゃないですか。グラスに注いだワインに向かい合い、香りを感じたりテイスティングをしてもらい、お客様が何を思い出したかを聞いていくもの。よくあるテイスティングですと、ハイビスカスの香りがすると思ったとか、動物の匂い、例えばなめし皮のようだとか、シャープとかまろやかとか、余韻が長いとか、いろいろコメントされますが、そういう通常のテイスティングではなくて、私がセラピストでもあるから、お客様や皆さんの過去に体験した“出来事”の何を思い出しましたか?って、お客様が想起した“記憶”を聞くんです。特に子供の頃の記憶ですね。そこには不正解はないんです。だから、その人がどんな人生をもっているのか、そのかけらをみつけることができる。それによって、その方がお店での時間から持ち帰るものが出来るわけです。これは私が開拓してきた(セラピーテイスティングという)オリジナルのものですね。

なんでそれ思い出したんだろう?このワインで?って、なるわけなんですが、今度は私が、それに関係して想起した、ワイナリーさんの情報をお伝えするんです。つまり、そのワインの生産者、“造り手”に関する情報のなかで、グラスに入ったワインから、ある記憶を引き出した方と、そのエピソードに何か結びつくような情報をお伝えするわけです。お客様とワインの造り手、そして、それを仲介するこの【ワインサロン銀座GG】で繋がった、ユングの言う“集合無意識”にアクセスしているような感じでしょうか。

例えば「子供の頃お母さんにこんな風に優しくしてもらった」、みたいな記憶を思い出される。それに対して、「ブドウを収穫して樽に入れてからのワインの元、モストは、樽に入れてすぐは、最初は赤ちゃんを扱うように接して、一日に何度も観てあげないとないといけない、もう少し安定してくると週に一度とかに頻度を落とす。不都合がでたら、赤ちゃんが病気になるみたいな感じでね、一旦大きな樽に全て入れ替えて、樽を清めて、また移し替えることをしながらワインが落ち着いたりする、と、この造り手は言っています」とかね。そういう話をすると、お客様は、ご自身の仕事や人間関係で「それ覚えがある!」「まさに今の私の現状のそのものだ!」ってなったりするんです。だからそれはとても面白いな、と思ってます。
 

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それから、私は今ある姿でなく、可能性のほうを見る見方をする傾向があり、そう言われれば、それも“女性性”的だと思います。このお店は、もともとは、「アン・ルベル」という店名でフレンチをビジネスパートナーがやっていたのだけど、彼にとっては、手に負えない店、困った存在、だったんですね。でも、一見ひねくれたような、難しい他の人が投げ出すようなもの、存在ほど、私は可能性を見るんです。例えば、母親が子供を育てるように、子供を人と比べたりするんじゃなくて、あなたはここが凄いよねって、いいところを見つけて育てるんです。私は、生まれ年も生まれ月も両方、二黒土星で、人や何かを育てるのにドンピシャらしいです。人が振り向かないような物件だったり、ワインもフランスやイタリアでなく、“ドイツワイン”のフィールド。

ドイツと言えば甘口でしょ?とか、ドイツワインは白がいいんだよね?という固定概念でなく、20年以上前からどんどん急成長し始めていた、優れた辛口リースリングやピノ・ノワールなどの赤が、独特の世界を持つこと、それらがまだまだ知られていない、“ドイツワイン”のフィールドだったり、そういうものに可能性を見つけ出すんです。このお店の魂とも最初は付き合い方がよくわかっていなくて、2、3年はなかなかに大変だったのだけれど、だいぶ最近関われるようになってきました。今からですね。この場のいいところを拾い出してあげると、場が喜ぶんですよ。

なるほど、MIKIKOさんが、経営に細やかな感性や受容力、育む力という女性性を発揮されてるのがとても伝わってきました。ありがとうございます。

協力・ワインサロン銀座GG

東京都中央区銀座8-8-7 第3ソワレドビル B1F

TEL: 03-6215-8678

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